初代星矢の映画といえば、どれも面白いんですけど個人的感想で言えば
1.『邪神エリス』
設定とキャラクター(エリスや絵梨依)はいいけど、ラストのオリオンのジャガー戦以外のバトルが間延びして感じる。
当時はアニメ誌のスタッフ談話で「ゲストのゴースト聖闘士たちがただのやられ役で終わらないよう気を使った」とあったけど
結局ジャガー以外ただのやられ役になってんじゃん……と、基本敵キャラに期待する節のある私としては
ちょっとがっかりした思い出。(上映時間45分じゃ仕方ないんですが)
2.『神々の熱き戦い』
まぁ悪くはないけどフレイが謎。沙織と初めて会った気がしないとか、なんでアテナのために命を捨てるのかとか、
唐突すぎて感情がついていかなかった初見。(劇中でのドルバルへの台詞からして、アテナが重要な存在と思ってるのはわかるんですけどね)
やはり上映時間の加減ではしょらざるを得なかったんでしょうが。
映画版神闘士たちについては、前回のゴーストで学習したんでまぁこんなもんかと。
余談ですが、映画敵キャラのボスを除いたリーダーは(エリスではオリオンのジャガー、真紅ではカリナのアトラス、最終ではセラフのベルゼバブ)かなり強くて青銅たちを圧倒するのがお約束なのに『神々』のロキだけは星矢にショボいやられ方してたなぁ(笑)
3.『真紅の少年伝説』
映画シリーズ一の大作なのは間違いないんですが、太陽神アベルも存在感凄いんですが、その分見るのにものすごくエネルギーがいる。
コロナの聖闘士ではリンクスのジャオウのルックスが一番好みだったけど、一番出番少なくて残念(^^;)
黄金聖闘士では、テレビ版のアフロディーテの作画が大抵あれだったから、荒姫作画の映画出演を心から喜んだ記憶あり。
そんなわけで、
作画が荒木&姫野コンビでないとかボスのルシファーがショボいとか、色々と評判の悪い『最終聖戦』ですけど
私としては一番気楽かつ気軽に見れる点でお気に入りだったりします。さすがに4作目ともなるとすっきりまとまってる、と思いますし。
ちなみに最初の画像は、今は亡き(多分)レーザーディスク版の最終聖戦の戦士たちのジャケットです。
帯付き。
『最終』の敵キャラのデザインと総作画監督は直井正博氏でしたが、直井氏デザインのルシファーを荒姫絵にするとこんな感じなんだぁ、と
LD再生機なんて持ってないのに買っちゃったという(笑)
紫龍と氷河が黄金聖衣姿なのもナイスだと思いませんか?w
各ジャケットイラストを使ったステッカーが付いてました。
余談ですが、04年発売の星矢ムービーBOX(DVD)のブックレットでは直井氏について、
”TVシリーズ第15、36,41,56,86,96話”を担当(『北斗の拳』『SLUM DUNK』にも関わられたそうで)とあるんですが
ナニトールとハーゲンの回(77話・81話)をナチュラルに飛ばしてくれちゃってんの!?
あっシドの回(91話)もスルーされてた
ついでに同ブックレットでは、『最終』のストーリーのベースは"菅氏(脚本)の提案により、ダンテの『神曲』に決定。"とあるんですが
当時のアニメ誌じゃミルトンの『失楽園』てあったんですけど。
当時そう見て岩波の上下巻の『失楽園』買って、友人と映画を見に行くまでに読破しなくてはと
大体『神曲』って、確かに地獄篇にルシファー(ルキフェル)はいるけど、全体としちゃ脇役でしょうに……
『最終』本編でもルシファーは聖域北の山に出現した自分の根城を”我が暗黒の神殿・伏魔殿”と呼んでるんですが
これ『失楽園』に登場してるんですよ……。
ま、それはともかく私が『最終』好きなのって、ショボかろーが情けなかろーがルシファーが大きいですね。
堕天使の時点で中二心をくすぐって止まない存在ですよ! しかもCVの津嘉山正種さんのボイスが超素敵! この2点で十分お釣りが来ます(笑)
適当に順番を追っていくと、
・黄金聖闘士がいきなり倒される。さすがにいただけない。しかもこれが映画唯一の出番……(苦笑)
『真紅』の時は映画館は笑いと黄色い悲鳴で一杯でして、私が見に行った『最終』でも黄金聖闘士が画面に映った途端「キャ~」でしたが
当然直後に「むごい~!」の絶叫に変わり、以後何も聞こえてこず静かなもんでした。
・伏魔殿出現シーンは素直にカッコいい。
・世界が異変で大混乱、のシーンもアニメらしい無茶ぶりがいい。その後大学生時代にビデオテープを部室に持ち込んで上映会やった時
このシーンが「ありえね~~w」と一番ウケが良かったです。
・ルシファー復活のきっかけになった魔界堕ちになった三神(エリス・アベル・ポセイドン)、何気にアベルお兄ちゃんだけ代表格みたいに
名前連呼されてたのが気の毒だった……。
・沙織さんが伏魔殿に向かい、星矢たちも向かって聖魔天使が登場するシーンまで、
映画唯一TV版のBGM(「聖闘士神話」の重々しいバージョン・アスガルド編録音のもの=M204)が使われています。
・紫龍とか瞬とか、期間的に仕方ないけど使い回しが多いなー。
あとスローンのモアの技とか、皆思ってるだろうけどモロぎゃびり~んやん(笑)
・氷河や一輝がマンネリ打破を図ってるそうで、それはまぁいいんですけど
一番打破すべきマンネリはすぐやられる瞬じゃないのかよ(怒)
・”最終聖戦”らしく、ルシファーに立ち向かう沙織さんは良かったです。
某アニメ事典じゃ「結局人質にされているが」って言われちゃってたけどねー。
・星矢が矢を放ったら、何故か沙織さんを盾にせず射抜かれちゃうルシファー。
ま~それされたら終わっちゃうし、時間の都合には勝てないんでしょうけど。
・サタン像と伏魔殿が崩壊するシーンと、そこを皆で脱出するシーンもお気に入りです。
多分エリスのラストで星矢と一輝がアテナと仲間と絵梨依を放り出して逃げたことへの反省なんじゃない……?w
ラストは聖魔天使たちの元ネタについて少々。
◇熾天使(セラフ)のベルゼバブ(声優・森功至)
サタン(ルシファー)といったら相方はベルゼバブ、ってくらいお馴染みですね。
参照リンク
最後に残る敵キャラとしては非常にそつのないキャラだと思います。
熾天使は天使の最高位。人間の前に現れる時は六枚の翼と四つの頭を備えるという。
◇智天使(ケルビム)のアシタロテ(声優・難波圭一)
ルックスと声優さんのおかげでフレイにダブらんこともない(笑)
キラー・ファングド・コブラで紫龍に飛び掛かるシーンが結構好きw
アシタロテ(アスタロト)はソロモン72柱の魔王の29番目とされる。元は女神だったそうですね。
智天使は天使の第二位。四枚の翼と四つの顔を持ち、神の御座を運び神の戦車を駆る者とされる。
◇座天使(スローン)のモア(声優・古川登志夫)
一番天使らしいといえばそんなルックスですね。
モアだけ該当する悪魔の名前を見つけられなかったので、元ネタなしのオリジナルなのかなと。
座天使は天使の第三位。大きな車輪・または多くの目を持つ者として表されるという。
◇力天使(ヴァ―チュー)のエリゴル(声優・山口健)
対峙した瞬が凄まじい殺気のため「この人が天使なんて……」と思ってたけど
見た目からして天使というより、道化か仮面の変質者にしか見えない(お~ぃ)w
エリゴル(エリゴールまたはエリゴス)はソロモン72柱の魔王の15番目とされる。
説明文を見ると魔王つか単純に有難い存在としか思えないのですが(^^;)
力天使は天使の第五位。英雄や善のために奮闘する者に結び付けられることが多いという。
参考文献『天使の世界』マルコム・ゴドウィン著 大瀧啓裕 訳 1993年12月30日第一刷発行 青土社
参考URL God Birdさんより
ソロモン七十二柱の魔王