うわー違うんですぅ―『終末のワルキューレ』トール神の
「覚醒雷槌(ゲイルロズトールハンマー)」パクったんじゃないんですぅー(笑)
ゲイルロズは、北欧神話で神トールと戦った巨人の中でも策士だし
(ミョルニルなしのトールなら勝てると踏んでロキに命じて素手で誘き出した)
娘二人を刺客に差し向けるし、本人も灼熱の鉄塊という結構強力な武器を持ってるという
今の時代のフィクションでも、なかなか強い敵役になりそうな感じの巨人です。
まあトールがグリーズという女性巨人に鉄手袋とか杖とか借りて、鉄塊をゲイルロズに投げ返してジエンドでしたが。
それと、「いけにえ」って言葉なんですけど
ちょっと前に(さる9月4日)NHKの
「巨大魚&幻の魚を終え!~大阪湾の魚を大調査」を見まして。
そこで琵琶湖の魚・ニジマスだったかなー、がその昔は「贄」として天皇に献上されていたと知りまして。
つまり、贄とは「朝廷や神にささげる、その土地の産物。ことに鳥や魚など」で、「生贄」となると
「けものなどを"生きたまま”神に供える事。また、そのけもの」を指すので
殺害して捧げるのはつまりは人身御供ということになるのかなぁ? てなわけで、生贄の文字を使いませんでした。
できれば来月には、次の更新できたらいいんですけどね……つもりと実際って、違うもんなんですよねー。
さて、延ばしっぱなしだったんで例の人についての更新ですw
アニメ『聖闘士星矢』キャラクター・聖衣デザイン担当の姫野美智氏は神闘士のデザインについてこう述べられています。
神闘衣の方はバンダイから来たラフを見て、キャラの方はシリーズ構成の小山高生さんのメモを見て作っています。
(『聖闘士星矢 荒木伸吾&姫野美智イラストレーションズ 光』より 2004年発行)
その脚本・シリーズ構成担当の小山高生氏のメモはたぶん
これです。
フェクダのトールについては、
巨人、猪突猛進、怪力自慢の偉丈夫。全てにスケールが人間離れしている。バイキングのイメージが強い。
とあるんですけども。
この
「バイキングのイメージ」がどうもよくわかんない。ぶっちゃけ、一般的な「バイキングのイメージ」と言ったら、このヒトの方が先に出てきそうな気がします。
出典で、映画版ルング氏の場合、何が「バイキングのイメージ」なのかというと、何と言っても兜のツノですなー。
ところが。
一般的なこのイメージに反して、実際の(史実の)バイキングの兜に角がついたものは今の所発見されてないんだそうです。
参照記事。余談。
ちょっと昔、某お笑いコンビCHI鳥のNOブさんが、何かの番組のものボケだかで、いかにもバイキング的な角兜のおもちゃを指して
「古代ギリシャのなんとかじゃ!」的なコメントをされてまして(ポセイドンに椅子の下から突かれたみたいなのもいつかあったなぁ)、
いやそりゃまずバイキングっしょ? と、内心でツッコんでたんですけども、年代的に言ったらNOブさんの勝ち~。
あと、興味深かったのが。
で、結局ヴァイキングは角つき兜をかぶったのか。是非お読みください!
でも一言バレすると、ツノの兜と羽根の兜が混同された可能性かぁ……面白いなぁ~。
話を戻して、フェクダのトールのバイキングイメージって一体どこなのか。
まず、彼のルックス。ストレートロングヘアでヒゲ。
これって、いわゆる「ヴァイキングメタル」のバンドメンバーの定番スタイルなんですよね。
googleの参照画像。しかし。
『世界過激音楽vol15 ヴァイキングメタル・ガイドブック』(松原誉史著・合同会社パブリブ)によると、
ヴァイキングメタルの元祖、または元祖的存在と目されるいくつかのバンドの結成から活動開始時期は、大体が88~90年代に入ってからなので、
1988年4月にTV放送開始した(設定が固められたのは、87年後半から88年春先までと推定される)
アスガルド編に登場したトールの参考になったとは、ちょっと考えにくいかなと……。
そこで注目したのがトールのファッション。
実はよく見てみると、彼の私服=チュニックは、神闘士たちの私服の中で一番中世ヴァイキングの着ていたチュニックに近くないか?
と気づいたのでした。
再びgoogle参照画像強いて挙げれば袖が消えてるのと(^^;)長さが足りなくなってますが、まぁそこはアレンジの範囲内ってことで。
それと、過去さんざこだわったブログ記事書いたトールのヘアバンドですけど、
ヴァイキング時代は男女ともに装飾品にも気を使い、男性は「(前略)フラズと呼ばれるヘッドバンドで身を飾って」いたんだそうです。
(参考文献『図解北欧神話』池上良太著・新紀元社 P204)
イメージについてついでに、フェクダのトールの使用武器・ミョルニルハンマーという名の斧についても少々。
神話的に言ったら、北欧のトール同様雷神であるゼウスの使用武器が両刃斧という説もあるとか、北欧でもミョルニルの槌は
古い時代には斧と考えられていた説もあるのですが、上記同様史実w=ヴァイキング時代からネタを持って来てみました。
以下、『ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈』(エーノクセン著・荒川明久訳 国際語学社)P140より要約。
ヴァイキング時代、北欧の輸出品は毛皮・琥珀・蜂蜜(8,9世紀)から10~11世紀には「武芸を競い合う戦士たち」となっていた。
彼らはビザンツ帝国(東ローマ帝国)の皇帝の親衛隊となり、皇帝に最も信頼される「ヴァリャーギ親衛隊」と呼ばれたという。
(ヴァリャーギはスラブ語でヴァイキングのことだそうです)
以下同ページより引用。
ヴァリャーギは闘斧(とうふ)を肩に担ぎ、常に臨戦態勢にあったため、「斧担ぎの蛮人」と呼ばれていた。
ヴィーキング(ヴァイキング)は好んで斧を武器とした点で異色の戦士であった。
北欧以外の地域では剣が最高の武器であったが、北欧人は白兵戦では斧が最高の武器だと考えていた。
ヴィーキングが他の世界で「斧使い」と呼ばれたのもそのためである。
(引用ここまで)
……結果的に、フェクダのトールはデザイン的には相当に「バイキングのイメ―ジ」だったと思われます。以上~。
おまけ。
昔々アルベリッヒを指して、"
『風と木の詩』のジルベールに似てる"というご意見を見かけたんですけど
見比べた限り、「片目隠した(メカクレ)美形キャラ」というのが被っただけと思われますw